ワビスケ…漢字で書くと「侘介」。茶庭や寺院の中庭などに植栽され、茶花としても愛されている。ツバキの一種で一重咲き、楚々とした白い花びらは、はかなくも凛とした強さをあわせ持っている。
かめびし16代目当主の意向もあり、建物内の随所には、多彩なツバキが点在している。「今年はいつもの年より早く花をつけたような気がするわ」。12月はじめ、17代目修行中の田中佳苗さんが静かにつぶやいた。
ゲストルームから眺めるベンガラ色の塀に浮かび上がる白いワビスケ。ポトンと一気に首から花が落ちることから武家屋敷では、忌み嫌われる不吉な花とされていた。しかし、美しい花をみごとに開かせては、地上に舞い落ち、辺りを艶やかに染めぬいていく…。そのいさぎよい生き様に感服したりもする。 |