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可憐さと凛々しさを兼ね備えた「ワビスケ」
ワビスケ…漢字で書くと「侘介」。茶庭や寺院の中庭などに植栽され、茶花としても愛されている。ツバキの一種で一重咲き、楚々とした白い花びらは、はかなくも凛とした強さをあわせ持っている。
かめびし16代目当主の意向もあり、建物内の随所には、多彩なツバキが点在している。「今年はいつもの年より早く花をつけたような気がするわ」。12月はじめ、17代目修行中の田中佳苗さんが静かにつぶやいた。
ゲストルームから眺めるベンガラ色の塀に浮かび上がる白いワビスケ。ポトンと一気に首から花が落ちることから武家屋敷では、忌み嫌われる不吉な花とされていた。しかし、美しい花をみごとに開かせては、地上に舞い落ち、辺りを艶やかに染めぬいていく…。そのいさぎよい生き様に感服したりもする。


奥の奥の、そのまた奥にある極楽〜♪白鳥温泉
とにかく山の奥の奥へ、そのまた奥へ。なんともアバウトな情報を頼りに、国道11号線沿いに立つ「白鳥温泉」の看板の指示通り、奥へ奥へ、そのまたズーッと奥の奥へ。とっぷり日も暮れてきたし、あまり人にも会わないし、だんだん道も細くなってきたし。いや、必ずあるはず…。そう自分に言い聞かせながら車のハンドルを再びギュッと握り締め、ひたすら1本道を奥へ奥へ、そのまた奥へ。
ん、ほのかな灯りが見えてきた。山間にこだまするような名調子の演歌が館内からもれ聞こえている。400円払って中へ入ると、あ〜人がいっぱいいる。こじんまりした湯舟に浸かれば、1日の疲れが落ちていく。ヒノキのサウナもいい感じだ。
湊川上流、阿讃の山峡、黒川温泉郷にある白鳥温泉は、無事に辿り着いただけでも大満足の秘境の湯。臆することなく、奥へ奥へ、そのまた奥へ、お進みくださいまし。ん、もしかして出逢った人たちが、キツネとタヌキだった。なんてことは全くございません。

入場料400円
東かがわ市入野山465
TEL:0879-27-2236
FAX:0879-27-2302
営業時間は午前10時〜午後9時
定休日は毎週木曜(木曜が祝日の場合は翌日)


ほんの小さな積み重ねが未来を生む。風の港の歴史をひも解く。
いつもと違う硬い内容かもしれないが、東かがわ市の歴史を知るには、まずここから。「東かがわ市歴史民俗資料館」を紹介しようと思う。前回、登場した「翼山温泉」のすぐ近く。かめびしから車で15分くらい、ウォーキングコースとしてもおすすめだ。
室町時代の第1級海運資料「兵庫北関入船帳」によると、三本松と引田の船は瀬戸内海で活躍し、江戸時代後期には特産品である砂糖の流通と結びつく形で、東かがわの廻船は活発化したとの記述が残されている。フフッ、全国レベルの奮闘ぶりとは何だか誇らしい。
では、砂糖や醤油づくりの道具、漁具などをチェックしながら館内へ。香川県埋蔵文化財調査センターの協力により、金毘羅山遺跡の銅鏡、池の奥遺跡跡の石包丁を配した常設展示、地元引田出身の久米栄左衛門に関する資料も充実している。
定期的に企画展も開催していて、12月23日までは「海を翔ける〜東かがわの船乗りたち〜」を開催。珍しい船絵馬のレプリカや船戸額、海土屋客船帳、砂糖仕切り帳などの文化財をはじめ、玉垣や常夜燈といった船乗りたちの足跡を写真・パネルで確認することもOKだ。
ほんの小さな積み重ねが歴史を創り上げていく。さまざまな出来事の大切さを知らせてくれる場所でもある。

入館料 無料
開館時間は午前9時〜午後5時
休館日は毎週火曜(休日の場合はその翌日)、年末年始
TEL&FAX:0879−33−2030


こんな所にあったのかぁ〜。緑の山並みを望む、ほのぼの湯に浸かる。
寒さで体が縮こまっているのだろうか。やけに肩がこっている。これはいけません。てな、ささいな理由からかめびしの取材帰りに立ち寄ったのが「翼山(つばさやま)温泉」である。国道11号線を東に走るJR引田駅手前の交差点を左折するとかめびし、右折してズンズン進むと、今回ご紹介する温泉が現れる。
残念ながら「つばさ」はないが、天使が舞い降りそうなのどかなロケーション。ぼぉ〜とするにはもってこいのスポットだ。受付で400円支払って中へ入ると、おばあちゃんたちが和やかに談笑している。
「私は化粧なんかせんのや。もう70歳過ぎなんやで」。確かにピカピカ・ツルツルだ。なるほど、ここの温泉は、カルシウム・マグネシウム・硫黄水素・塩冷鉱泉で、神経痛や筋肉痛、関節痛、冷え性に効き目あり。ついでにおばあちゃんの体験談によると、美肌効果もあり!らしい。
大浴場にジャグジー、サウナ、水風呂…シャンプーリンス、ボディソープだって完備してある。見かけは素朴だが、今年4月に改装したばかりとあって使い心地バッチリ。湯に浸かっちゃ、ベンチで休み、ベンチで休んじゃあ、またまた湯に浸かる。そして、お風呂上りには、レトロな瓶入りコーヒー牛乳をゴクゴクゴク…。そこはかとなく贅沢気分だぞ。おお〜肩がホヨホヨしてきたかも。

入浴料は大人400円
営業時間は午前10時〜午後9時
定休日は毎週火曜
TEL:0879−33−2505


5.5メートルの奴を投げあう 勇壮な男の祭り
引田の伝統文化「投げ奴」をご存知でしょうか?。天正15年(1587)に生駒正親が讃岐の領主として引田城に入城し、誉田八幡宮を再建したことを喜び、戦国の名残「やり踊りを奉納したのが始まり。江戸時代には領主の許しを得て、現在のような大名行列を模した形となり、華麗な投げ奴を披露するようになったという。今年も10月13日の誉田八幡宮の秋祭りには、澄み渡る青空に幾度となく奴が舞い上がった。カラスの濡羽色に似せて染めた羽飾りをあしらった一本槍は、長いもので5.5メートルもある。これを2人1組で投げあいながらお旅道中を神輿のお供で往復するのだ。明治時代までは、腕自慢の若者が練習に励み、10メートルも垂直に投げ上げ、八幡宮の鳥居を超えたという逸話も残されている。
また、勇ましい投げ奴とあわせて、獅子舞も盛んだ。ハッピ・腹掛け・ももひき・わらじ履きスタイルの若者が躍動感あふれる獅子つかいを披露し、小さな子どもたちも鳴り物を手に花を添える。集まった観客が「今日は、いい日和で何よりでしたね〜」と声を掛け合う光景もほほえましい。『伝統文化』が人と時代を、今なお、しっかり結んでいる。


かめびし発!とっておきドライブコース〜秋編〜
秋の深まりとともに紅葉前線の動きが気になり始めた。かめびしから四国霊場八十八番札所・大窪寺までは車で約30分くらいだが、「あそこの紅葉はみごと。長尾方面へ向かう国道377号のルートで行くと車窓からの景色も美しいし、ドライブにおすすめですよ」と田中マネージャー。今や、どっぷり讃岐人である。
それはさておき、海抜787メートルの山中にある結願寺・大窪寺は、養老年間(717〜724)に行基菩薩が建立したもの。そして、弘法大師が四国内の八十八ヶ所の寺を回り終えた時に使っていた杖を納めた由緒ある寺だ。例年11月中旬には、カエデやイチョウが境内の錦のじゅうたんで染めつくすという。(早朝に行かないと、掃き清められていることが多いのでご注意を…)。
「大窪寺から、さらに車を走らせると今度は温泉郷・塩江につながるんてすよね」と田中マネージャー。かめびし屋でうどんをすすった後、引田の町並み散策→大窪寺→紅葉→温泉。これはなかなかスペシャルなコースかもしれない。


ボランティアガイドが活躍する風の港 岩波フィルム上映会に井筒屋探検
かめびしに隣接する旧井筒屋は1200坪もの広大な敷地面積を誇る。古くは引田御三家の一角として栄えた旧家だが、長きにわたり住む人もなく放置されていた。誰も立ち入らない無残な姿になってしまったこの場所を整備し、町の活性化のために立ち上がったのが「引田町並み保存会」だった。毎週日曜の午前10時〜午後3時(変動あり)までは、ボランティアガイドが江戸情緒を残す敷地内を案内してくれ、月2回のペースで岩波映画上映会を開催。米蔵で楽しむレトロなフィルム映画は趣深いものがあると評判だ。
10月13日には、投げ奴で知られる誉田八幡宮の秋祭りを盛り上げようと、上映会をはじめ、「引田の祭り」のビデオコンクールの撮影会、東かがわ市内の伝統行事の写真展示・鑑賞会などが予定されている。鐘や太鼓のリズムに乗せてそぞろ歩けば、昔ながらの「風の港」の魅力があふれ出てきそうだ。

イベントの問い合わせ先 
引田公民館 TEL:0879-33-3533
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